学生時代の夢とコンプレックス
学生のときに憧れていた職業がある。
コンサルタントだ。
戦略コンサル、経営コンサル、ITコンサル。とにかくコンサルタントと名のつく職業に憧れた。
さっそうと現場にやって来て、現状を分析し、問題点を明確化。状況に合った最善の解決策を示して、多くの企業に貢献する。そんな姿(学生当時のイメージ)がカッコいいなと思ったのだ。
コンサルタントに憧れたのには、学生時代のコンプレックスにも原因があると思う。
当時のコンプレックスは『深く考えることが苦手』ということだった。ロジックを組んで話すことが苦手だったし、そもそも「何を話すべきか?」も分からないような学生だった。
学生なりにそこに問題意識は持っていて、なんとかしたいと頑張っていた。
その努力のひとつに「フレームワークの本を読む」というものがある。フレームワークを習得して、それに沿って考えていけばきっと深い洞察をする事ができると思っていたのだ。
今考えればバカだったなぁと思うが、この勘違いは就職してからもしばらく続いた。
仕事を通じて『本当に不足していたもの』を知る
ところがシステムインテグレータに就職して、仕事に慣れていくにしがたって、本当に足りなかったものに気づいた。
深い洞察や問題解決には、フレームワークではなく、まずは知識の量と経験値が重要だと実感した。圧倒的に知識が不足している状態を経験することで「まずは知識量が大事」という至極当たり前の事実に至ることができたのだ。
考えてみれば当たり前のことだが、フレームワークは「考えやアイデアを整理する”道具”」であって、知識や情報を持っていることが前提のツールだ。そもそものネタがなければ当然、フレームワークは活用できないだろう。フレームワークが不要だとは思わないが、順番としてはまずは専門知識を身につけることが先決だと思った。
コンサルタントという職業も、フレームワーク以前に、膨大な資料に目を通しているはずだ。
仕事を経験していく中で、深く考えるには、
- まずは問題や課題に関する知識を吸収すること
- 社内のナレッジや先輩社員の話を聞く、なにより自分が仕事をどんどんこなすことで経験値を増やしていくこと
が大切だとやっと気づいたのだ。
知識と経験を増やすことがファーストタスク
そこからはとにかく知識量と経験値を増やすことを心がけている。
具体的には、プロジェクトに関連する技術について、
- 技術書
- 社内のナレッジ
- インターネット上のネタ
などにひたすら目を通しながら、
プロジェクトのゴールにたどりつくまでに想定される障害を把握し、取り除いていくことを心がけているようにした。
これによってプロジェクトはかなりうまく進むようになってきた。
しかしそんな中で、次の課題として上がってきたのが
- 自分の考えをまとめること
- 自分の考えを伝えること
に対する力不足だ。知識や経験にもとづいて「こうしたらうまくいくだろう」という考えを持つことはできるものの、
その考えをまとめ、言葉にして人に伝えることに力不足を感じるようになった。これに対する話はまた次の機会に書こうと思う。
▼僕がインフラエンジニアとして働く大きな転換点となった資格が「ネットワークスペシャリスト」。この資格の勉強をしていく中で、仕事に面白さを感じることができるようになった。その時使っていた参考書がこれ。「ちゃんと勉強すれば面白いじゃん!」と思わせてくれたこの本には感謝しかない。