インフラエンジニアの時間術

自分が好きなことに思いっきり時間を使いたい。なぜならそれが楽しいことだから。自分の人生を楽しむことに文句を言われる筋合いはない。(もちろん、期日を勝手に破って遊びこけているというのは論外だと思う)

 

ちなみに僕はシステムエンジニアだが、仕事はそれなりに好きだ。

 

使い手にとって便利なシステムを作りたいと思うし、どうしたらもっと便利になるかを考えること、実際にシステムを作る過程も、運用しながら改善していくことも楽しいと感じる。

 

案件にもよるが、新しい案件なんていうのは格好のオモチャだ。

使い手が何に困っているのか、どうしたら良くなるのかを自分なりに考えて「こうしたらファンでクールでセクシーじゃない??」なんて会話をお客さんとするのが楽しい。

新しい技術や製品を探して触ってみるのも好きだ。提案が通ればそりゃ嬉しいし、システム構築もワクワクする。リリースしたシステムを運用しながら改善していくのもなかなかやりがいがある仕事だ。

 

そんなんだから、たくさん案件をこなしたいし、かといって家にいる2人の子供ともたくさん遊びたい。家族旅行だって行きたい。最近、家族ぐるみの付き合いが出来る友達も出来てきたし、みんなで遊べる楽しい企画をしたい。

 

だからとにかく時間をムダにせずに、仕事と遊びに集中したい。

 

僕は自分で言うのもなんだが、時間の使い方は上手いほうのようだ(もちろん僕より上手い人なんてごまんといるのは知った上で)仕事どうやって回してるの?と言われることも良くあるし、実際に細かい改善をくりかえしてきて今のスタイルがあったりする。

ということで、今回は僕の時間術(全部で7つ)をまとめてみた。

 

1. 完璧を目指さない

はじめから100%の完成度を目指す人がいる。それはそれで否定しないが、みんなが納得するものをはじめから作るなんてまず無理だ。

 

成果物のイメージは、お客さんとこちらで全然違うこともある。世の反応はリリースしてみないとわからない。これはと思ったプロダクトに限って全然反応薄かったり、その逆もあったりする。

 

だからまずは6割か7割までスピード優先で作ってみて、あとは短いスパンでレビューと改善を繰り返しまくるほうがいい。この方式で進めると、専門家や上司、ユーザーの意見を早く取り込むことができるのが良い。

 

例えば僕はアーキテクト的な役割が多いが、周囲にはデータベースエンジニア、ネットワークエンジニア、サーバエンジニア…と様々な専門家がいる。上司もいて経営や組織の意向もあったりする。

 

これらの人と議論するにあたって「たたき台」があるとスムーズに話が進む。これをもとにして、あーでもないこーでもないとみんなで議論を進めていくと、全体の整合性を取りつつ完成に近づけていくことができるのだ。手戻りのリスクも格段に減る。

 

ユーザーとのすり合わせも早い段階でできるので、カレーを頼んだのにトンカツが出てきたというようなトラブルを避けることにもつながる。 

 

ということで、まずは完成を目指さずに、スピード勝負で自分なりに「たたき台」として形にしてみる。そこからレビューと改善を繰り返していく。とするのがオススメだ。

 

もうひとつ付け加えるのであれば、細かい「ですます」や句読点、図形のズレなどはそこまで気にしない方がよい。レビューと改善を繰り返していくうちに大体は直っていくからだ。最終レビューで残りの部分を直すことにしよう。

 

2. 「いま、ここ」に集中する

最近「いま、ここ」というキーワードをよく聞く。人間の不安や悩みは過去や未来に関連するので、現在(いま、ここ)に集中することで様々な悩みや不安から解放されるというマインドフルネスの流行によるものだと思う。

 

マインドフルネス自体は立派な研究対象であるが、禅から派生したとどこかで読んだ。禅には「前後裁断」という言葉があるそうで、それは前(過去)と後(未来)を断ち切って、今に集中するという意味だという。

 

ベストセラーになったアドラー心理学を題材にした本「嫌われる勇気」にも「いまここに強烈なスポットライトを当てる」という話が出てくる。続編の「幸せになる勇気」ではそもそも純粋な意味での過去なんてものはない、という話があり、これもかなり面白い。

 

これらの本を読んだことがなければ是非おすすめしたい。

 

2.1. タスクリストを作る

さて、「いま、ここ」に集中するのに僕が使っているのはタスクリストだ。何の変哲もない、締め切り順にタスクを並べたシンプルなテキストのタスクリストを使っている。

 

GTDや緊急度と重要度でマトリックスにしたタスクリストなど色々試してみたが、僕の場合は複雑すぎてワークしなかった。

 

僕のタスクリストには

  1. テキストエディタに箇条書き
  2. 締め切り順
  3. 割り込みタスクはどうしてもでなければ明日以降のタスクとする

という3つのルールしかない。

 

そして仕事中は、タスクリストの一番上から順にこなしていく。タスクに取り掛かっているときは、そのタスクだけに集中する。マルチタスクはしない。

 

結局、人間が行う「マルチタスク」は、単にシングルタスクを切り替えているだけで、その切り替えにけっこうエネルギーを使ってしまう、ということが最近はわかってきているのだという。

僕も自分の経験上、そのように感じているので、シングルタスクを徹底している。

 

さて、僕はプライベートのタスクリストも作っている。プライベートもいま、ここに集中している。

 

2.2. 時間割を作る

時間割通り行動することも効率を上げる方法のひとつだ。僕はTodoistを時間割として使っている。僕のTodoistの登録はこんな感じだ。

  • 【朝】コーヒー→水やり→ごはん&プロテイン→歯磨き→洗顔→着替え→皿洗い
  • 【通勤中】レバレッジメモ→読書、メルマガ(レバレッジメモ参照)週2冊目標
  • 【昼】業務タスク
  • 【夜】食洗機回す→メシ→食洗機追加→風呂
  • 【毎月25日】お風呂のジャバ→ひげ剃りの替刃変更

 そんな感じで色々書いてある。見てわかる通り、時間割といってもかなり大雑把な時間割だ。だが、学校の時間割のように1日を区切ることができる人はまずいないだろうし、これくらいのゆるさにとどめておかないと、むしろ逆効果になってしまうだろうあくまで指針としてゆるく縛るための時間割にすることで、「いま、ここ」に集中するためのツールとして役に立つ。

 

先にあげた時間割とタスクリストの使い分け方法だが「【昼】業務タスク」の部分はタスクリストを上からこなしていく時間になっている。タスクリストは別管理としており、todoistはあくまで時間割として使っている。 

 

3. メモ書きはその日のうちにドキュメントにまとめる

仕事をしているとメモがどんどん増えていくだろう。手書きのものもあればデジタルのメモ帳もあると思う。これらのメモはその日のうちになんらかのドキュメントにまとめるのが良い。

 

チャットツールやSNSはコミュニケーションスピードを爆速にするが、反面、会話が流れてしまうことも多く、ナレッジの集積には適していない。

 

メールであれば受信ボックスに残しておくことができるが、あとから遡るのは割と面倒だ。

そのため、SlackやTwitter・メールでの議論の結論、必要であればその経緯も必ずどこかにドキュメントとしてまとめるようにしている。

 

経験上、これを忘れずにやっていくと勝手にかなりいいドキュメントが出来ていたりする。

 

4. 関係する案件の情報収集を積極的に行う

「すでにやったことあるような案件だから情報収集は必要ないよ」「新しい技術は下がキャッチアップするもんだろう」という人がいる。それってそもそも楽しいの??と思うのだが、そういう人が一定数いることは確かだ。

 

だが、すでにやったことがあっても時間が経てば新しい技術やトレンドは出てくるし、もう一度勉強し直すと面白い発見があったりする。メンバーがキャッチアップしてきたとしても、知識ゼロで報告を聞いても理解なんてできないわけで、どうするかの判断ができないだろう(ちょうど予備校の授業を予習なしで聞くようなものだと思う)。メンバーにもいい迷惑だ。

 

職位が上になってくれば、どうしても概略にとどまってしまう部分もあるかもしれないが、時代に即した良いアウトプットを作る上で、常にインプットし続けることが重要だ。

 

僕はインプットの時間を、通勤中と退勤中にあてている。本にして週1冊〜2冊のレベルを目標にしている。通勤中、退勤中は「いま、ここ」に集中することとして基本的にこのインプットに集中している。

 

ぼくらの仕事は「知っていれば一瞬で終わる」ということがとにかく多い。普段から関連する情報を積極的に取り入れていることが一番の効率アップだったりする。

 

5. メモ書きしまくる

ドキュメントを書くときにパワポやワードをいきなり立ち上げてはいけない。

まずはテキストでガーッと思ってることを書き出す。図もa4用紙に3色ボールペンで書く。提案書の順序など考えない。とにかく書きまくる。

ひと通り書いたところでこれをドキュメントにするならどうするかと考えて順序を並べなおす。すると不足している部分が見つかる。それをまた書きまくる。

 

そのようにして、並べなおす>不足部分を補う>並べなおす>・・・と続けていくと、アウトプットの骨子ができている。

 

あとはこれをパワーポイントなりワードなりエクセルなりドキュメント化するだけだ。ドキュメント化もコピペを有効に使って、チャチャっと仕上げよう。もちろん、 分析系のタスクは途中でエクセルなどで計算しまくる必要があるが、作戦を立てて臨むという意味で、メモ書きは役に立つだろう。

 

このメモ書き方式は僕のオリジナルではなく「ゼロ秒思考」という本に書いてあったものだ。本の中では『必ず手書き』と書いてあるが、僕はスマホのテキストエディタなどを使ってしまっている。

 

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

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  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/12/20
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6. よく寝る

8時間睡眠と5時間睡眠では、日中帯の集中力が全然違う。ぼくの場合、6時間を切るとだいぶパフォーマンスが落ちるとなと感じている。5時間しか寝られなかった時、日中帯は全然使い物にならない。

 

これに気づいてからは、しっかり寝るようにした。最近は子供が寝る時間に一緒に寝るようにしている。しっかり寝て、子供を保育園に送ってから出社している。仕事中、眠くて集中できない…という人で寝不足の人は、できればぜひ試してみてほしい。

 

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以上がぼくの仕事における時間術だ。日々細かな工夫を加えているので、また適宜、加筆や修正などしたいと思う。